築古物件の利回り改善と将来収益戦略|個人投資家だからできる工夫

不動産

不動産投資の収益を高める方法は、新築や買い増しだけではありません。
築古や既存物件であっても、賃料水準・契約条件・土地ポテンシャルに工夫を加えることで、利回り改善は十分に可能です。

私自身も、駅近の賃貸ニーズのある築古物件を取得し、工夫によって利回り改善と将来収益の両方を狙える投資を行いました。


短期的な利回り改善の方法

入居者ターゲットを見直す

  • 賃料が相場より低い場合、入居者ターゲットを変えるだけで改善余地がある
  • 事務所やSOHO利用、民泊需要などを取り込めば 賃料1.2〜1.5倍 も狙える

契約形態を工夫する

  • 2年の定期借家契約を導入
  • 将来的な建替えを見据えつつ、解体直前まで高稼働を維持できる

小さな改善の積み重ね

  • リフォームや部分的なリノベーション
  • 宅配ボックス・無料インターネットなどの設備導入
  • 募集条件・写真・図面の見直しで集客力UP

応用的な利回り改善策(SOHO・民泊など)

SOHO・事務所利用を解禁する

  • 築古ワンルームでもSOHO需要はあり、通常より高い賃料を得られる場合がある
  • 特に士業事務所(税理士・司法書士など)は安定感がある

⚠️ 注意点

  • ファミリーや高属性層向け物件では、SOHO導入で物件全体のブランド価値が下がる懸念がある
  • 実態が不明な個人事業主への賃貸は、滞納やトラブルのリスクを伴う

民泊需要を取り込む

  • 民泊利用なら通常賃料の1.2〜1.5倍を狙える
  • 定期借家契約を活用すれば、建替え予定物件でも最後まで稼働可能

⚠️ 注意点

  • 管理会社は収益が減るため、民泊に非協力的な場合が多い
  • 民泊利用者にも保証会社や審査は必須
  • 民泊の募集は通常の仲介ネットワークではなく、民泊コミュニティや独自人脈が必要
  • 導入は 1部屋から試すなど段階的に進める戦略 が現実的

長期的な収益アップの戦略

容積率未消化を活用する

私が取得した物件は 容積率200%に対し、既存は100%しか使用していません
建替えれば「延床面積を2倍」にできる余地があります。

さらに、築古ゆえ現在の賃料は新築時の半額程度。
新築にすれば単価を2倍に戻せる可能性があります。

👉 延床2倍 × 単価2倍 = 賃料4倍
将来的に賃料収入を 最大4倍まで引き上げられるポテンシャル を持っています。


築古物件を運用して建替え資金を回収する

既存の土地・建物代は築古運用で回収。
その後の建替えでは「建物部分の負担のみ」で済むため、
結果として 利回りが大きく跳ね上がる可能性 があります。


個人投資家だからこそ狙える戦略

実はこの物件、プロの専門業者は取得を見送りました。
理由は「満室」だったからです。
建替えを前提にすれば退去や立退き費用がかさみ、短期収益を求めるプロは敬遠します。

しかし個人投資家は長期スパンで投資を見据えられます。
「プロは効率重視で見送る物件」こそ、個人が時間を味方に収益を最大化できるチャンス なのです。

これは株式投資に例えると:

  • アクティブファンド → 短期で成果が求められるプロ
  • インデックス投資 → 長期的に利益が出れば良い個人

この違いに近い考え方だと思います。


私の事例におけるポイント

  • 駅近 × 築古でも、「短期的な利回り改善」と「長期的な収益アップ」の両面を狙える
  • 賃料が相場より低い物件は、改善余地が大きい
  • 容積率や建替え余力など、将来の出口戦略まで考えて購入することが大切

まとめ|短期改善と長期戦略を組み合わせ、個人の強みを活かす

  • 既存物件でも工夫次第で利回りを改善できる
  • 短期的には ターゲット・契約・設備改善 で収益を底上げ
  • 長期的には 容積率や建替え余力 を活かし、賃料を大幅に伸ばせる
  • プロが敬遠する案件こそ、個人投資家は時間を味方にできる

👉 「利回り改善」と「将来収益戦略」を両輪で考えることが、個人投資家にとって最大の武器になります。

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